Puppy Linux派生。本家より扱いやすい「LxPup」と「LxQtPup」
Puppy Linuxのデスクトップ環境について調べ物をしていたら、”LxPup - Puppy Linux + LXDE”というページがあった。
LxPup - Puppy Linux + LXDE プロジェクト - SourceForge.JP
Puppy LinuxをLXDEデスクトップにアレンジしたものらしい。
早速、LxPup-15.02.2のPAE版と非PAE版、それとLxQtPup(非PAE)をダウンロードした。
いずれもSlacko Puppy 5.9.3がベースのもの。
(LxQtPupは上記リンク先Other/LxQtPup内)
LxQtPupのデスクトップ環境「LXQt」というのは、「LXDE-QtとRazor-qtの成果物を統合したデスクトップ環境」で「Qtに移行したLXDEの後継バージョン」とのこと。
LXDE - Wikipedia
LXDEよりさらに軽いということか。
試用してみての感想
「LxPup」
ブートCDを焼き起動すると、PAEのLxPupはいきなり「Disabling IRQ #9」と出て、その後なんとか「Loading kernel modules…」までは進んだが、そこでフリーズ。
非PAEの方で起動すると、無事デスクトップが表示された。
デスクトップに子犬の姿は無かったが、開始時に表示される言語やタイムゾーン、モニターなどの設定ウィンドウを閉じると、「ワン!ワン!」と元気に迎えてくれる。
本家Puppyよりすっきりした外観。
そして動作の軽快さは、まさにPuppy Linux。
ファイルマネージャーにはPcmanfmが入っていた。とても有難い。
Puppy標準のROX-Filerは、コピーしようと思ってファイルをドラッグ&ドロップすると、コピーではなくリンクを作ってしまったり、右クリックでコピーしようとするとコピー先のパスを入力させられたりで、使い勝手が悪い。
ブラウザはFirefoxで、これも有難い。
起動はやはり多少もたつくが、Firefoxにはそれに勝る便利さがある。
端末はPuppyデフォルトのrxvtに加えLXTerminalが入っている。
右クリックでのコピーペーストが出来て便利。
LxPup。
Puppy Linuxの軽快さと、LXDEの快適性を上手く融合させている。
「LxQtPup」
LxQtPupの方はというと、起動も起動後の操作も、ややもっさり感が否めない。
実際、タスクマネージャーだけを開いた状態での消費メモリは、LxPupの68MBに対し、LxQtPupは135MBと倍の差。
だが、LxQtPupの外観はとても丁寧に作りこまれていて、「本当にこれがパピーか?」と驚愕を覚える。
特にメニュー周りなど、LxPupがPuppy Linuxの素朴さ(ごちゃごちゃ感)を残しているのに対し、LxQtPupには精錬された美しさがある。
もはやPuppyの域を超えていて、外観だけを見れば全く別のディストリビューションと思えるほど。
凄いです。
LxPupをFrugalインストール
LxPupをHDDにインストールしようと思ったら、ユニバーサルインストーラーはあるが、どこを探してもFrugalインストーラーが見当たらない。
参照させて頂いた下記サイトでも、ユニバーサルインストーラーを使ってのFullインストールが紹介されていた。
LxPupのインストールからインターネット接続のまとめ : Windowsはもういらない
既にPuppy Linux5.7.1をFrugalインストールしているし、出来れば同じパーティション内にFrugalインストールしたいところ。
FrugalインストールしてこそのPuppy Linuxとも思える。
Frugalインストールは必要なファイルをコピーして、その後Grub4Dosブートローダーをインストールしているだけのようだし、最後のGrub4Dosブートローダーの設定さえちゃんとやれば、ファイルのコピーは手動でも良さそう。
やってみた結果、ちゃんとFrugalインストール出来た。
まず、インストールするパーティション内に「lxpup1502」等、適当な名前でフォルダを作成。
(名前はなるべく入力しやすいものが良い。後に個人保存ファイルを複数作成した場合、個人保存ファイルへのフルパス入力を求められる。)
LxPup-15.02.2を例にとると、ブートCD内には12個のファイルがあるが、そのうち必要なのは下記の4つ。
initrd.gz
vmlinuz
puppy_lxpup_15.02.sfs
zdrv_lxpup_15.02.sfs
これら4つのファイルをあらかじめ作っておいたlxpup1502フォルダにコピー。
後は「メインメニュー」→「Setup」→「Grub4Dos bootloader config」からGrub4Dosブートローダーをインストールすれば良い。
シャットダウンの際、個人保存ファイルの作成を促されるから、好みの形で作成。
ブートCDを取り出して再起動すればLxPupの画面が現れる。
日本語化は上記参照サイトの方法で簡単に出来た。
LxPup、LxQtPup、いずれもノーマルのPuppy Linuxより親しみやすいアレンジになっているので、初心者からベテランまで、ぜひ一度触れてみてもらいたい優れたディストリビューションだ。